歯科

スケーリング 

 歯周病の発生頻度は2歳以上の犬や猫の80%以上と言われており、当然年齢を重ねると割合は
高くなり、程度も重度になります。右の写真のように本来の歯が見えなくなるほど歯石が付着
することも珍しくありません。ここまで歯石が付着すると歯磨きでは除去は難しく、放置すると
歯が抜けたり他臓器に影響を及ぼします。
 









 全身麻酔をかけることになりますがスケーリングにより歯石を除去することは可能です。この程度の歯石でしたら30分くらいの処置で終了します。当院では歯石除去、歯石が付着しにくくなるように研磨、破折などの場合には歯科用レントゲン撮影を行い歯内療法など必要なことはすべて対応しております。










生活歯髄切断術


 日常の生活で歯がかけてしまうケースは多く見られます。右の写真のように歯が欠けて露髄した場合、放置しておくことはできません。歯根未形成で破折露髄後2週間以内または1~2歳で2日以内、3歳以上で1日以内であれば歯髄を温存したまま修復する生活歯髄切断術が適応できます。しかし、この日数はおよその目安であり個々の状況により適応されるかどうかは変わります。 この写真は右第4前臼歯が欠けてしまいました。赤く歯髄が出ているのが分かります。しかし、すぐに来院されたためこの処置を適応することができました。

 

 

 

 歯髄を一部切除し、水酸化カルシウムの粉末で覆罩、硬化型のカルシウム剤で裏層、さらにグラスアイオノマーセメントで裏層、最後コンポジットレジンで充填し終了です。
もし歯が欠けてしまった場合は早急にご連絡ください。すぐであれば歯髄を温存したまま修復することができます。

 

 

 

 


抜髄根幹治療

 右の写真は犬の右上顎第4前臼歯がかけた写真です。矢印のところが丸くくぼんでいますが歯髄までかけているのが分かります。神経までかけていなければ歯冠修復といい、レジンで充填する比較的簡易的な処置ですみますが、歯髄まで及び時間が経っているとこの抜髄根幹治療が適応になります。

 

 

 

 

 この写真は神経を抜いているところです。この歯は歯根が3本あり、神経を抜くのが少し大変です。 それぞれの歯根にファイルを挿入し歯髄を除去します。次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素水で洗浄し、ホルムクレゾールで消毒、根管用シーラーで歯髄を充填します。

 

 

 

 

 最後にコンポジットレジンで歯の表面を整復し終了です。生活歯髄切断術の場合とは違い歯髄は生きていないため強度は弱いですが形状と機能を保つことはできます。丁寧にケアしていけば生涯温存していくことも可能です。

 

 

 

 


外科的矯正

 小型犬では乳歯から永久歯への生え変わりが6~7ヶ月齢で完了します。しかし、右の写真の
ように永久歯が生えてきたのにもかかわらず乳歯が残存してしまうことが多くあります(黄色い
丸が本来抜けているはずの乳歯)。そうなると歯垢・歯石の付着が増加したり不正咬合が生じ
ます。

 

 






 右の黄色い丸の歯は外科的矯正を行った右下顎犬歯です。乳歯の残存により口蓋側へ変位していましたが、矯正治療により正しい位置へ移動しました。外科的矯正は一度の処置で完了することができますが、治療を行う時期がおよそ6~7ヶ月齢と限られており幼少期からの検診が必要です。

 

 

 

 


矯正学的矯正

 不正咬合になってしまい6~7ヶ月齢を過ぎた場合、矯正させる距離が長い場合は一度の処置で終わる外科的矯正を適応することができません。その場合は矯正装置を使用した矯正学的矯正を行います。通常およそ3~4ヶ月で治療を完了できます。

 

 

 

 

 


猫の尾側口内炎